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かっぱ塚

 

昔、黒島にいたずらかっぱがいて島の人を困らせていました。ある日、本村の人が田んぼを見に行ってみると、何とかっぱがいるではありませんか。

その人は一計を案じ声をかけました。「おいかっぱどん、相撲とろうかい」。かっぱも「よしきた」と答え、相撲をとることになりました。

村人は家から持って来た灰を、わざとかっぱの頭にかかるようにまきました。そして「はっけよい!」と取り始めたところ、なんとかっぱは負けてしまい腕を抜き取られました。実は、かっぱの頭にある皿の水が灰に吸い取られ力が出なかったからでした。村人は、かっぱの腕を家に持って帰りました。

その晩、「腕を返して欲しい」とかっぱがやってきました。「では、腕を返してやろう。その代り、かっぱ塚の石が腐るまで黒島の人にいたずらをしてはならないぞ」と約束をせまりました。かっぱは背に腹は代えられず、その場で約束を受入れ腕を返してもらいました。

以来、来る日も来る日も、かっぱは塚の石が腐っていないか石を押えに来ましたが、石は腐るわけがありません。黒島の石はとても固いのです。それ以来、かっぱのいたずらは無くなったとさ。

一説にこのかっぱは、この海域で暴れていた倭寇(海賊)ではないかとも言われています。

~かっぱ塚の伝説~

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